生活の中での暮らし編
定位置を決めて管理するというのは当たり前なこと。でもそこにほんの少しの工夫を施す。
玄関の靴はいつも右端に寄せて定位置にして靴を探さない工夫。
冷蔵庫の中に自分の入れたものがわかるように、1番上の左から「あ、か、さ、た、な」と位置を共有して、
左側のあの位置にプリンあるよ、とわかるようにする。
ポテトチップスの様々な味を買うとロシアンルーレットになるから塩味だけ洗濯バサミに点字のラベルつけて挟む。
洋服は上下どのタイプでも合わせれるように下は無地、上は柄にする。
靴下は左右どちらでも履ける黒1色で春夏と秋冬で分ける。
セットアップスーツの色違いは、
紺、グレー、濃いグレー、黒と洗濯バサミの点字ラベルでわかるように。
それは「普通」にちょっとした手を入れた構造化。
生活に施された少しの手間が、盲目のピアニストの人生を、安心できるものに変えてゆく。
その工夫から得られた安心は、音楽に向かう心を支える要素になる。